脳梗塞は、脳の血管が詰まることにより脳の一部分が壊死してしまい、さまざまな症状が出現する病気です。脳のどの部分に発生したかによってさまざまな症状をもたらし、手足の動かしづらさやしびれ、顔面の麻痺、ろれつが回らない、言葉が出づらい、視野が欠ける、言動がおかしい、ふらつき、めまいなど、病気が発生した脳の部分の役割と一致した症状が現れます。一度壊死した脳は元に戻らないため、後遺症が残る場合も少なくありません。
脳梗塞には原因別に大きく分けて2つタイプがあり、脳の血管が徐々に細くなり潰れてしまう脳血栓症と、心臓や大動脈、頸動脈など、体の他の部分の血管内でできた血の塊が脳の血管に流れついて詰まる脳塞栓症があります。大きな血栓となりがちな脳塞栓症のほうが重症になりやすい傾向にあります。
10年ほど前までは脳梗塞の治療といえば、脳の他の部分での再発を防ぐ投薬が中心でした。近年では、発症から数時間以内であれば血栓を溶かす治療が行われるようになり、症状が良くなるケースも増えてきました。とはいえ、この治療を行えるケースはいまだ限定的です。