頭痛について

頭痛とは

頭痛とは

日本人の多くが悩まされているという頭痛ですが、その原因も症状もさまざま。ある日突然起こる激しい痛みもあれば、日常的に続く「ズキズキ」するような痛みも。さらに、天気や時間帯など、特定の条件下でのみ起こる頭痛もあります。
多くの頭痛が脳の異常に関わらないものですが、なかにはくも膜下出血や脳出血といった深刻な脳疾患に関わる頭痛もあります。
どんな頭痛でも自己判断して軽視することなく、きちんと診断を受けることが大切です。

日常的な頭痛

頭全体に締めつけられるような鈍い痛み

頭全体に締めつけられるような鈍い痛み

疑われる頭痛

緊張性頭痛

頭痛の状態

首や後頭部を中心に、頭全体が締めつけられるような鈍い痛みが継続します。痛みはあるものの、日常生活や仕事などはなんとかこなせる程度の痛みにとどまることが特徴です。

頭痛の原因

おもに筋肉や精神の緊張に起因し、デスクワークやスマホ操作などで長時間同じ姿勢を維持することによる筋肉のこわばりや、冷えやストレスなどによる血流の滞りによって周辺の神経が刺激されて痛みが発生します。

治療と予防

薬での治療が難しい頭痛のひとつですが、鎮痛薬や筋肉をほぐす薬を処方されることもあります。入浴やストレッチ、適度な気分転換などで筋肉と精神の緊張をほぐし、血行を促進することもおすすめです。長時間同じ姿勢でいることを避けたり、適度な気分転換で精神的な緊張をほぐしたりといった予防法があります。

ズキンズキンと脈打つような周期的な痛み

ズキンズキンと脈打つような周期的な痛み

疑われる頭痛

片頭痛

頭痛の状態

周期的に「ズキンズキン」と脈打つような痛みが襲ってきます。10代からの若い世代に多い頭痛で、痛みの発生は月に一度程度の人からもっと頻繁な人までさまざまです。男性より女性に多い傾向があります。精神的な緊張状態から解放される、学校帰りや会社帰り、休日などのタイミングで起こりがちですが、朝起きた瞬間から痛みを感じることも。季節の変わり目や急激な気圧変化、真夏の強い日差しなどが引き金となって頭痛が発生することもあります。

頭痛の原因

気候の変化や疲労、ストレスなど、さまざまな要因によって脳の血管が異常拡張したり、周辺の神経に炎症を起こしたりすることが原因です。

治療と予防

鎮痛薬や血管の拡張を防ぐ、あるいは拡張した血管を収縮させる薬が処方されます。また、予防薬として血管を拡張させない薬を出すこともあります。痛みのトリガーとなるストレスや日差し、気候変化などをできる限り避けたり、チョコレートやチーズ、赤ワインなどの痛みを誘発する食品の摂取を控えたりすることでも、ある程度の予防は可能です。

目の奥をグリグリと強く刺激されるような激しい痛み

疑われる頭痛

群発頭痛

頭痛の状態

目の奥をグリグリと強く刺激されるような激しい痛みが起こります。女性より男性に多い頭痛です。年に数回、あるいは数年に一回程度の頻度で症状が起こるケースが多いようです。

頭痛の原因

脳の血管の異常拡張と、周辺神経の炎症が原因です。

治療と予防

鎮痛薬や血管の拡張を防ぐ薬が処方されます。

後頭部の神経に沿って「ズキッ」と瞬間的な痛み

疑われる頭痛

後頭神経痛(大後頭神経痛)

頭痛の状態

座骨神経痛や肋間神経痛などと似た鋭い痛みが、後頭部の神経に沿って瞬間的に走ります。

頭痛の原因

疲労やストレス、体調不良などが原因となって起こる、後頭部の神経痛です。

治療と予防

鎮痛薬が処方されます。しっかりと休養をとり、ストレスを避けることも予防の一助となります。

女性で生理日の前後に限って現れる痛み

疑われる頭痛

ホルモン性頭痛

頭痛の状態

女性の生理日や排卵日の前後にのみ現れる痛みです。

頭痛の原因

排卵や月経に伴い、女性ホルモンが増減することによって引き起こされます。

治療と予防

鎮痛薬やホルモンバランスを整える漢方薬が処方されます。

さまざまな種類の痛みが連日訪れる

疑われる頭痛

混合型頭痛

頭痛の状態

さまざまな種類の痛みが混在し、連日続いて発生する。

頭痛の原因

筋肉や神経の緊張や血管の異常拡張、神経痛など、多様な原因による頭痛が同時多発的に起こります。

治療と予防

鎮痛薬が処方されますが、過度に服用してしまうと薬剤乱用頭痛に移行してしまうこともあります。

鎮痛薬を飲んでいるのに消えない痛み

疑われる頭痛

薬剤乱用頭痛

頭痛の状態

もともと鎮痛剤で解消できていた程度の頭痛が、薬を多用することで解消できなくなり、さらにひどい痛みとなって現れる。

頭痛の原因

肉体的にも精神的にも鎮痛薬に依存してしまうことで起こります。月に10回以上も鎮痛薬を服用してしまうような場合は要注意です。

治療と予防

医師と相談のうえ、原因となっている薬の使用を中止、あるいは減量する。頭痛の起こるタイミングや症状の程度を記録する「頭痛日記」などを活用して、自身の頭痛の傾向を把握し、薬に頼らない対処法を見つけることも大切になります。

危険な頭痛

突然殴られたような激しい痛みがあり、吐き気や嘔吐が続く

突然殴られたような激しい痛みがあり、吐き気や嘔吐が続く

疑われる頭痛

くも膜下出血による頭痛

頭痛の状態

突然、ハンマーで殴られたような激しい痛みが起こり、ついで吐き気や嘔吐が続きます。意識不明の状態に陥り、いびきのような異常な呼吸になることも。冬場の入浴や外出、排便時など、寒暖差の激しい環境や急激に力を入れた際などに発生することが多い症状です。

頭痛の原因

脳内の血管にできたこぶが破裂することによって起こる、くも膜下出血が原因です。

治療と予防

破裂した動脈瘤を閉鎖する手術を行います。とにかく早期に専門医を受診することが必要ですが、治療をしても後遺症が残るケースも多くあります。脳動脈瘤の発生は、生活習慣病と関連がない場合も多いので、発生や破裂の予防についてはなかなか難しいのが現状です。未破裂脳動脈瘤が見つかった方は、高血圧、喫煙、過度の飲酒が破裂のリスクとなりますので、このような生活習慣を見直す必要があります。

頭の重い感じから徐々に頭痛が悪化し、朝にひどくなる

頭の重い感じから徐々に頭痛が悪化し、朝にひどくなる

疑われる頭痛

脳腫瘍による頭痛

頭痛の状態

最初は「なんとなく頭が重い」と感じる程度ですが、徐々に痛みが強くなります。特に朝に痛みが強くなる傾向があり、起き上がると多少痛みが軽く感じることもありますが、基本的に症状が改善することはありません。

頭痛の原因

脳内や頭蓋骨と脳の間に腫瘍ができる、脳腫瘍が原因です。

治療と予防

腫瘍を摘出する手術を行ったり、放射線治療や化学療法を行ったりします。脳腫瘍についても予防は難しく、脳ドックなどの定期検査をしないとなかなか発見できないことが多い疾患です。

首の後ろから後頭部にかけてバキバキッと突然痛む

疑われる頭痛

椎骨動脈解離

頭痛の状態

首の後ろから後頭部にかけて、突然バキバキッというような痛みが起こり、数日間続きます。寝違えによる筋肉の痛みと勘違いされることも多いようです。壮年男性に多い傾向があります。

頭痛の原因

脳の血管が裂ける椎骨動脈解離が原因です。

治療と予防

軽度であれば薬物療法で経過を見ますが、手術が必要になることもあります。急に激しく首を動かすような動作を避けたり、動脈硬化の原因となる生活習慣病を治療したりすることで、ある程度予防することができます。

当院での治療法

当院での治療法

頭痛は性別や世代、痛みの種類や発生条件などによって、ある程度原因を探ることが可能です。自己判断でやみくもに鎮痛薬を服用することなく、頭痛の原因に従って、適切な治療を受けましょう。
当院では問診での診断に加えて、MRIやCTスキャンによる精密な画像診断も即日可能です。
気がかりな頭痛がある場合には、ぜひお気軽にご相談ください。

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